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タイのカレー料理を「タイカレー(Thai Curry)」と呼んでいますが、タイでは「ゲーン」と呼ばれている料理です。「ゲーン」とは、様々な汁物の中で、香辛料の利いた、ココナッツミルク仕立ての料理の総称です。ゲーンは、もともとタイの宮廷で生まれた料理で、インドのカレー料理とは全然、関係ないそうです。
東南アジア各地では、インドとの交易によってインドのカレーが広まったと言われていますが、タイのカレーはインドカレーのようにカレー粉を使いません。多種多彩の唐辛子をベースに海老味噌(カピ)やナンプラー、コブミカンなど、インドでは使われない調味料やハーブを用いて、独特の汁料理(ゲーン)を作りあげています。
ゲーンは、唐辛子、ニンニク、エシャロット、ハーブ類(ショウガ類、レモングラス、コブミカンの葉、コリアンダーなど)をすりつぶして作ったゲーン・クルーン(カレーペースト)を炒め、海老や鶏肉、野菜などをココナッツミルクで煮込み、ナンプラー(魚醤)で味をつけた、まったりとして香り高い料理です。
使用するゲーン・クルーンの素材や、一緒に煮込む素材によって辛さや色、香り、味が異なるゲーンができます。代表的なものに、いわゆるレッドカレー、グリーンカレー、イエローカレーなどがあります。一般的には、日本のカレーよりもゆるく、スープカレーのような感じで、炊いた香り米に少しずつかけて食べます。
ゲーンの特徴の一つに、ココナッツミルクを入れて調理するということがあります。ゲーン・クルーンを炒め、具材とココナッツミルクを入れて煮込みます。辛さの中にふんわりとした甘さと香りを引き出す立役者がココナッツミルクです。基本の材料に加え、好みで豚肉、鳥肉、牛肉、野菜を入れ、最後にナンプラーで味を調えます。
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