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CATEGORY[韓国]
コメント[ 0 ]TB[ ] 2011年10月09日15:59
 「スユク」は、茹でて薄切りにした牛肉、豚肉や内臓肉を、酢醤油などにつけて食べる料理です。料理名の由来として、“ゆでる”という調理法から「水肉(スユク)」とよばれたという説や、“火を通した肉”という意味の「熟肉(スギュク)」がなまって“スユク”になったという説があります。
 ゆでた肉も、ゆでた肉を薄切りにしたものもスユクといいますが、薄切りにしたゆで肉を他の料理の具として使うときは「片肉(ピョニュク)」、「熟片(スクピョン)」とよんでいます。
 なお、スユクには、牛肉や豚肉、その内臓肉が使われますが、牛、豚以外の肉で作ったものも、同じようにスユクと呼ばれています。
 ソルロンタン専門店のスユクは、牛の頬肉が使われていることが多く、赤身の肉に網目状の脂が差し込んで美味といわれています。牛の頭部を煮込んだスープに御飯を入れた料理である「ソモリクッパ」の専門店では、煮込んだ頭部の肉をスユクにして出されることが多いです。頭部の肉にはゼラチン質が豊富にあるため、クニュクニュとしたやわらかな食感を楽しめます。
 肉をゆでて薄切りにするという単純な料理であることから、スユクは韓国で古くから食べられてきた料理だと推測されています。文献上は19世紀末に書かれた「是議全書(しぎぜんしょ)」という書物に「熟肉」という記述があり、牛のブリスケ(前足の付け根部分にある胸肉)、肺、乳房、睾丸、頭、モモ、膵臓、豚肉を使ってスユクを作っていたと書かれています。
 1924年に書かれた「朝鮮無双新式料理製法」にも、「熟肉」、「片肉」の名前で、牛のブリスケ、モモ、頭、豚肉をゆでて作る調理法が書かれています。
 スユクは、肉や骨、内臓を煮込んで作るソルロンタン、トガニタン、テジクッパなどのスープ料理専門店で多く出される料理です。スープのダシとして煮込んだ肉や内臓を、一品料理のスユクとして提供しており、これをおつまみにしてお酒を飲み、最後にスープを食べて食事をしめるという楽しみ方が浸透しています。
 食べる際は、酢醤油やアミの塩辛、サムジャンとよばれる合わせ味噌などが用意され、これらにスユクをつけて食べたり、サンチュ、エゴマの葉といった葉野菜で包んで食べたりします。スユクは大皿に盛られて出てくることが多いですが、飲食店によっては温かな状態を保つために、せいろで蒸しながら食べるというスタイルをとっているところもあります。焼酎と相性が良い料理であるため、韓国では代表的なおつまみのひとつとして親しまれています。

スユク
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