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過橋米線(かきょうべいせん)は、中華人民共和国、雲南省に由来する麺料理の一種です。100年以上の歴史がある麺料理です。
煮えたぎったスープと油が入った磁器の碗または土鍋を用意し、食べる時に、目の前で米線と呼ばれる雲南省の麺と野菜や中国ハムなど生の食材を入れ、スープの熱で具を加熱調理して食べるのが特徴的な料理です。
過橋米線に用いられる麺は、米線(ミーシェン)と呼ばれるライスヌードルの一種です。この麺は雲南省の麺として知られており、いわゆるビーフンとは異なります。米粉を原材料としているビーフンのような細打ちの乾燥麺ではなく、太さはあるもののコシがあまりなく、断面が丸い生の麺です。
調理方法は、まず鶏ガラや豚骨をベースにして沸騰するほど煮込んだ白濁で塩味のスープを用意します。その温度は、一般的に100℃以上で、スープの表面には、鶏油など食材から出た油をたっぷりと浮かべます。この油があることでスープが冷めないように工夫されています。
スープは磁器製の大きな碗や土鍋に移され、提供されますが、この器は熱くて手で触れることができないほどです。このスープの中に生の食材を入れていき、碗の中のスープの高温によって、これらの材料が加熱され、火が通った頃合いを見て食べます。
食材としては米線のほか、薄くスライスされた鶏肉や豚肉、ハム、ニラ、ホウレン草やモヤシなどの野菜、ウズラの卵、豆腐皮(湯葉に似た豆腐加工品)など、様々です。
この過橋米線の由来として、感動的な物語があるそうです。雲南省蒙自県郊外の南湖(現在もあります)の中の小島は、付近に住む科挙(中国の国家公務員試験のようなもので、非常に難関なことで知られていました)の試験を受ける者が集中して勉強をするのに最適な場所でした。ある書生が、毎日、この小島に行って科挙に備えて勉強していました。
彼の妻は、毎日、橋を渡って弁当を届けていましたが、道のりが長いため、いつも弁当は冷たくなってしまいます。ある日、妻が丸々と肥えた鶏を土鍋で煮込み、夫の元へ届けたところ、長い時間を経ていたにも関わらず、熱さを保っていました。これは、スープの表面に鶏の脂が浮いて膜を張っており、これによってスープの熱が逃げず、時間が経っても冷めにくくなっていたのです。
この発見から、妻は熱したスープに油をたらし、麺や具を別々に持って行くことを思いつきました。これによって、書生は、毎日、温かい出来立ての麺料理を食べることができ、これによって勉強に集中でき、見事、科挙に合格したそうです。
その後、この麺料理の話が広まり、「妻が橋を渡って米線を届けた」という話から、この麺の名前が「過橋米線」と呼ばれるようになったそうです。
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