菜脯蛋(ツァイポーヌン)は、台湾式の卵焼きです。「菜脯」とは、「切り干し大根」、または「切り干し大根の甘辛醤油漬け」のことだそうです。「蛋」とは「玉子」のことですから、「菜脯蛋」とは「切り干し大根」、または「切り干し大根の甘辛醤油漬け」を入れたオムレツのことです。日本では、「沢庵入りのオムレツ」と紹介されることも多いようです。
台湾の「菜脯」は大根を千切りにし、塩漬けにして、天日にさらしたもので、日本の切干大根よりも塩分が高いのが特徴です。このため、食べる時には水で洗い、塩抜きをします。日本の切干大根と比べると濃厚な味と香りがするため、玉子焼きの具に入れても、しっかりとした味を主張してくれます。
菜脯蛋は、台湾が最も貧しかった時代の産物で、昔ながらの台湾家庭料理の一つです。もともとは、食料が足りなかった時代に生まれたものですが、現在では、台湾料理を代表するメニューの一つとなっています。
また、ふっくらした卵焼きの中にネギの香りと干し大根の塩味が効いていて、あっさりしていながら、しっかりとした美味しさがあります。卵の中の切り干し大根が、歯ごたえのアクセントをつけてくれます。台湾に来たら、一度は食べる価値がある台湾料理です。
台湾料理レストランでは、菜脯蛋を世界に広げるための工夫をしているようです。菜脯蛋の見た目を整えて、円形を立体的にふっくら盛り上げて焼いて、「台湾ピザ」という名称にして売り出しているところもあるようです。

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